東京ヴァルハラ異聞録

なんて考えたけど、もしも秋本だけが戻ったのだとすれば、俺達を欠いてバベルの塔を目指す事になる。


ヴァルハラに残った人達でそれが可能だろうか。


いや、不可能だとしても信じるしかなくなる。


「おっと、どうやらもう一人いたようだぜ?俺達と同じように元の世界に戻ったやつがよ」


秋本が何かに気付き、その方向を指差して見せた。


その指の方向を見てみると……ビルの屋上を高速で飛び回ってこちらに向かって来る女性が一人。


あっという間に距離を詰め、俺達の前に現れたのだ。


「……どうやら無事みたいね。秋葉原でビショップが暴れているってテレビで見て、急いでやって来たんだけど」


凛として美しいと思うほどの立ち姿。


改めて見ると、この人もかなりの美人だな。


そう思わせるほどの不思議な魅力を、明は持っていた。


「狩野か。弱った黒井をぶっ殺すには十分な戦力だな。三人でやれば、何とかなるだろ。俺一人で戦いたいところだけどよ、わがままを言ってられる状況じゃねえしな」


「そう……三人なのね。この世界が夢や幻でないのなら、ビショップは放ってはおけないわ。あの力はこの世界にはあってはならない物だから。もちろん、私達の力もね」