東京ヴァルハラ異聞録

元の世界に戻って、俺は幻でも見ているんじゃないかと、目を擦ったけれど、やっぱりそこに秋本がいる。


「あ、秋本……良かった。俺一人じゃなかった」


「寂しがり屋かテメェは。それにしてもあの野郎、派手に暴れやがったな。黒井もお前も、めでたく御尋ね者ってわけだ」


ビショップを止めようとしただけなのに、俺まで追われる身になったなんてとんでもない話だ。


だけど、あの様子では、俺がいくら無実だと言っても聞いてくれないだろうな。


強すぎる力を持ってしまうと、人から恐れられ、疎まれる。


それが痛いほどわかった。


「俺だけが来たわけじゃなかったんだ。一人ではビショップに勝てないと思ってたから、皆がいてくれるのは嬉しくて」


「皆って、他のやつも来てるのかよ?だとしたら、テレビさえ見ていれば秋葉原に来るかもしれねぇな」


……俺と秋本だけっていう可能性もあるのか。


そりゃあそうか。


ヴァルハラの人達が皆元の世界に帰って来たら、この世界はとんでもない事になる。


ビショップと同じ考えを持った人間なんかは、間違いなく暴れ始めるだろうから。


当然、それ以外にも問題はあるわけだけど。