東京ヴァルハラ異聞録

「ぐっ……ダメだ……これ以上殺らせない!」


仰向けに倒れた俺は、何とか身体を起こして。


ビショップを止めようと歩き出した。


「お、おいっ!!危ないっ!!」


皆が俺を見ている。


何が危ないんだと、左側を見た時……目の前に、ワンボックスカーが迫っていたのだ。


運転手はスマホを見ていて俺に気付かない様子で。


「キャーーーッ!」


そんな悲鳴が聞こえた。


だけど、俺が鞘を握った左手をワンボックスカーに向けて、それが車と接触した瞬間。


グシャッ!


という音が聞こえて、ワンボックスカーのフロント部分が激しくひしゃげて停車したのだ。


突然車が止まった事で、その後ろに別の車が追突する。


俺はと言うと……それに関しては全くの無傷で。


ビショップだけじゃなく、俺の力も元の世界では異質なのだと感じた。


「フハハハハハッ!結城昴!鈍いお前でも気付いたようだな!!この世界では、俺達は異常なんだよ!いずれ人間達は俺達を排除しようとする!わかったかよ!」


嬉しそうに拳銃を人を向け、銃弾を放つビショップが叫んだ。


そして、呆然とする俺の前で、ビショップは再び宙へと舞い上がり、東の方へと飛んで行ったのだ。