東京ヴァルハラ異聞録

「こいつで殺れないのに、お前らが殺れると思ってんのかよ。ほら、ここが俺の心臓だ。しっかり狙って撃ってみろよ」


うずくまる俺には目もくれず、拳銃を構えた警官に歩み寄るビショップ。


銃口がピタリと胸に付いた。


「どうした?ビビってんのかよ?じゃあ手伝ってやろうか?ほら」


そう言い、警察官の人差し指をチョンと押し、無理矢理引き金を引かせたのだ。


パァン!


という銃声が辺りに響いた。


が、ビショップは平然としていて、銃弾が直撃したというのに、微動だにせずそこに立っていたのだ。


「こっちの武器なんてこんなもんだろ。撃たれた感覚すらなかったぜ」


笑いながらそう言うと、ビショップは警察官の手から拳銃を奪い取り、逃げ惑う人達に向けて発砲を始めた。


撃つたびに人が倒れて行く。


ビショップにとって、ゲーム感覚なのだろう。


「や、やめろっ!お前の相手は俺だろっ!」


身体の内部がズタズタになっているような感覚の中、俺は何とか立ち上がってビショップに斬り掛かった。


「今のお前が俺の相手になるかよ。頭を冷やせクソガキが!!」


俺の攻撃を容易に腕で防ぎ、服を掴んで力任せに投げ飛ばした。


投げ飛ばされた俺は、歩行者天国の向こう側、車が往来する交差点まで飛ばされて、地面の上を転がったのだ。