東京ヴァルハラ異聞録

「なんだとっ!!」


「やった!!……うっ!?」


ビショップの腕を切断する事が出来た。


だが、突然胃からこみ上げて来る何かを抑えられず、俺はその場に膝を突いて口から血を吐いたのだ。


皆が言っていたのは……こういう事か。


この攻撃は明らかに俺の実力以上の力を引き出している。


もしかすると、今まではヴァルハラにいたから負担は少なかったのかもしれない。


だけどここは元の世界で、身体にかかる負担はヴァルハラの比じゃないのか。


「貴様……この短期間で何をした。神に迫るほどの力を、お前のようなガキが手にしたと言うか!?」


激昴するビショップ。


だが、その表情はどこか嬉しそうで。


斬り落とされた腕を拾い上げ、切断面に付けると、まるで何事もなかったかのように元通りになったのだ。


「げふっ……冗談だろ。俺の渾身の一撃が……何もなかった事になるなんて」


これだけやっても、ビショップを倒せなかった。


俺一人では……勝てないのか。


「お、おいっ!!その少年から離れろ化け物め!!」


「う、動くなよ!撃つぞ!!」


取り囲んだ警察官が、ビショップに向けて拳銃を向けているけど、そんなものでビショップが怯むわけがなかった。