東京ヴァルハラ異聞録

大友のその言葉に、俺達は思わず南軍の方を向いた。


南軍が……消えただって?


「おいおい、大友こそふざけるなよ。南軍が消えたって?街ひとつなくなったってのかい?」


『ああ……バベルの塔から放たれたあの光が、南軍を落としたみたいだ。後でまた連絡する。今から確認に行ってくる』


「落とした……か。わかった、気を付けろよ」


『ああ、お前達もな』


そこで大友との通信は終わった。


だけど、「落とした」ってどういう事だ?


この街にいて何だけど、俺はこの街の事をほとんど知らない。


「あ、あの。名鳥さん、『落とした』ってどういう意味ですか?」


「うーん、俺も確証は持てなかったけど、今の大友の言葉で確信したよね。この街は、しっかりした大地の上にあるわけじゃないみたいだ。わかりやすく言うと、円盤の上に俺達は乗っている……って事かな」


そう言われてもピンと来ないな。


この街は、東京と同じで、そんな形状だとは想像が出来なかったから。


「あれか?バベルの塔がこの街を支えているって噂か?」


秋本はこの話を知っているのかよ。


まあ、知っていたとしても、だからどうしたって話なんだろうけどさ。


俺達がやる事に、この街の形状は関係ないのだから。