東京ヴァルハラ異聞録

首を傾げる名鳥を連れ、俺達は再び屋上に上がった。


まだ、空気中に舞っている砂埃のせいで視界は最悪。


10メートル先も見えない程だ。


「これじゃあ確認のしようがないね。世界の終わりって……こんな感じなのかね?」


「不吉な事言わないでよ雪子ちゃん。じゃあ何かい?今から最終戦争でも始まるっての?」


名鳥も不吉な事言うなよ。


だけど、そう言いたくなる気持ちもわかる。


「こんな時に大友はどこに行ったのさ!あいつがいれば、何が起こったかわかるだろうに!」


「確かに、大友の目なら、この砂埃でも関係なく見えるかもしれないわね」


……この砂埃でも見えるって、どんなに凄い目なんだよ。


でも、思い返せば、大友の目は確かに良かったな。


物陰に隠れてて、ちょっと顔を出しただけでも矢が飛んで来たくらいだし。


遠距離武器の中では間違いなく最強の部類に入る人だ。


「だったら、こちらから連絡を取った方が早いね」


PBTを取り出し、名鳥が画面を操作する。


「あーあー、テステス。本日は晴天なり」


『……ふざけているのか名鳥。毎回その入りはいい。それよりもこっちから連絡しようと思っていたんだ。良く聞けよ。南軍が……消えた』