東京ヴァルハラ異聞録

そう声を上げたけど、揺れで立ち上がれない中でどうすれば良いってんだ!


「間に合わない!だったら!」


迫り来る砂埃を見つめて、明が四つん這いのままで軽く跳躍。


素早く日本刀を抜き、屋上の床を斬り付けたのだ。


その高速の刃は、少なくとも10回は振られ、着地と同時に床が崩れ落ちたのだ。


「お、おおおっ!?」


そこにいた全員、ビルの最上階へと落下した。


「部屋の外に!何とか移動して!」


屋内に逃げる時間がない……だからって、床を破壊して俺達を落とすか!?


だけど、その機転のおかげで助かったかもしれない。


その声に、這って部屋の入り口へと向かった俺達。


ドアを開け、廊下に出ると同時に、強烈にビルを揺する爆風のような物が直撃。


さらに大きく揺れ、俺達は身動きすら取れなかった。


ビルのあちこちでガラスが割れる音が聞こえる。


「くそっ!!一体何だってんだよ!!どうなってやがる!」


「そ、そんなのわからないですよっ!!」


秋本でさえ、このわけのわからない事態に戸惑っている。


俺が戸惑わないわけがないっ!!


それは、俺だけでなくここにいる全員同じだったに違いない。


その揺れはしばらく続いた。