東京ヴァルハラ異聞録

「な、なんだ……あれ」


雲……と言っても、紫色をしている、不気味な雲。


それが、高速でバベルの塔の周囲を回っている。


「なんだありゃあ。まさか……」


秋本が言いたいことは、聞かなくたってわかる。


ビショップになった黒井は、バベルの塔の方へと飛んで行った。


だったら、これは、ビショップがやっている事ではないのか。


恐らくそう思っているのだろう。


空が、徐々に紫の雲に覆われて行く。


しばらくして、紫の雲が完全に空を覆った時だった。


一筋の光が……紫の雲を貫通して降り注いだのだ。


光が地上に降り注ぎ……そして。


「お、おい!なんだよこれ!地震か!?」


「そ、そんなの俺に聞かれても!!うわっ!!」


凄まじい破壊音と、強烈な地震に襲われ、その場にいた全員が倒れて、立ち上がる事すら出来なかった。


「南軍の方だよな!?一体何が起こったんだよこれ!!南軍はどうなったんだ!!」


秋本の声が辛うじて聞こえて、南軍の方を見ると……今までに見た事もないような量の砂埃が巻き上げられ、こちらに迫って来るのが見えた。


「や、やばい!皆!建物の中に!!」