東京ヴァルハラ異聞録

横に倒れたルークの頭部を歩いて、秋本の前までやって来た名鳥。


秋本がハルベルトを引き抜くと、そこにショットガンをあてがった。


「ふぅっ……ここまでお膳立てされて、やれなきゃ男じゃないね。くらえよ、フルパワーのチャージショットだ!!」


名鳥の殺意が……ショットガンに凝縮されて行く。


そして、引き金が引かれると同時に、パスッという乾いた音が聞こえたのだ。


「……え?」


「い、今の音、なんだよ。もしかして、そんな屁みたいな音を聞かせる為に俺達を戦わせたのかよ!!」


と、秋本が激昴した時、それは起こった。


ドンッと、爆発でも起こったかのような音、そして振動。


次の瞬間、名鳥がショットガンを突き付けた場所から、少量ではあるが、血が噴き出したのだ。


崩れ落ちるルーク。


それに気付いた俺達は、隣のビルに飛び移って、砂埃が舞い上がる中で勝利したんだと確信した。


「やりやがったのか……一撃で」


その一撃の威力は、秋本も驚愕するほど。


屋上からルークを見てみると、崩れたビルが血と脳症に塗れているのがわかった。


名鳥の一撃は……脳に達するだけではなく、右側の頭蓋骨をも破壊していたのだ。