東京ヴァルハラ異聞録

明の言葉と共に、ルークの頭部に向かって日本刀を引き抜いた。


たった15秒の溜めなのに……力が溢れる!!


両国でポーン達を倒した、荒々しく溢れる力じゃない。


凄まじく研ぎ澄まされた、凝縮された力だ。


この力を、日本刀に留めておくなんて、俺には出来ない!!


「うおおおおおおっ!!」


気合一閃、引き抜かれた日本刀から放たれた斬撃が、ルークの頭部に直撃した。


全く同じタイミングで、明の斬撃が交差する!


「……恐ろしい子ね。一度でこれをモノにするなんて。高山真治が想いを託すだけの事はあるわね」


俺を見て、明は日本刀を鞘に納めた。


コンッと、鞘と鍔が当たった音が聞こえた瞬間、ルークの頭部に大きなバツの字が刻み込まれたのだ。


血が噴き出し、ルークが右側に傾く。


「順一!!斬撃が交差した部分に!」


背後にいた名鳥に、明がそう言ったけれど……。


「ご、ごめん。もうちょいかかる……俺には明ちゃんの方法は向いてないわ」


あまりにも予想外の答えに、俺も明も唖然として。


「だったら、完了するまで時間を稼ぐしかないですよね。明さん!」


「え、ええ。仕方ないわね。このままルークを倒してしまえば、足止め出来るわ!」