東京ヴァルハラ異聞録

恵梨香さんの声を合図に、俺達は起き上がり始めたルークの肩に飛び移った。


左側の目、俺達が飛び移った側の目が傷を負っている。


足止めしながら、ダメージを与えていたんだな。


「結城昴!溜めが完了するまでどれくらいかかる!?」


「30秒もあれば何とか……」


「長いわ!15秒でやりなさい!順一も!」


冗談だろ!?


30秒っていうのも、かなりサバ読んでなのに、15秒でやれとか無茶言うなよ!


「出来ない事はないわ。雑念を捨てなさい。警戒も防御も解いて、心穏やかに意識を武器に集中させて!私達は一人じゃない、仲間を信じて!」


「やれやれ……我が嫁は難しい事を簡単に言ってくれるよ。でも、やるしかないよね」


あーもう!


ごちゃごちゃ考えている時間も惜しい!


やればいいんだろやれば!


警戒を解いて……心穏やかに。


意識を集中させる為に、目を閉じて暗闇の世界に入った。


何か……小さな光が見える。


最初は点ほどの大きさだったその光が、ゆっくりと大きくなって行って……。


それが暗闇を消し去ったと認識したと同時に、俺は目を開けた。


「15秒!!決めるわよ!!」