東京ヴァルハラ異聞録

一時間後、ルークが休眠状態から目覚めた。


巨大な塊が、ゆっくりと開いて人型へと変わって行く。


「結城昴、私達がやる事はわかっているわね?」


「大丈夫です、明さん。名鳥の攻撃を通しやすくする為に、ルークの頭部を斬り付ける……ですね」


ビルの屋上、俺は名鳥と、その奥さんと共に、ルークが立ち上がるのを待っていた。


「悪いね、昴。俺にも『溜め』が必要でさ。その時間を稼いでくれるとありがたいよね」


ポンッと俺の肩を叩いた後、タバコを口にくわえて火を点ける。


「順一、またタバコを吸って……」


「ごめんよ明ちゃん。でもさ、今回ばかりは集中したいから許してよ」


いつも緩い雰囲気でニヤニヤしている名鳥が……一転する。


ショットガンを取り出して、今までに感じた事のないような殺意のような物を発し始めたのだ。


今回、恵梨香さんと秋本がルークに攻撃を仕掛け、必要とあらば俺達のサポートに回る。


残ったメンバーは、ルークがこれ以上キングの方に向かわないように気を引く。


つまり……名鳥の攻撃で仕留められければ、後がない作戦。


悪いけど、ルークの周りに集まった人達には期待が出来ない。


「起き上がるぞ!!肩に飛び移れ!!」