東京ヴァルハラ異聞録

「え、マジ?あれから六時間ほどしか経ってないのに、そんな事しちゃったわけ!?はー……ちょっと信じられないわ」


雨村達と別れて、異常な速さで戻って来た。


それは自覚しているけど、何も俺一人の力じゃない。


共に戦う人がいたから、勝てたに過ぎない。


「いやはや。その事にも驚いたけど、恵梨香ちゃんの地獄耳にも驚いたね。南軍にいたのにどうしてそんな話を知ってんのよ」


驚いた……と言うよりも、呆れたような口調で名鳥が尋ねたが、恵梨香さんはフッと笑うだけ。


ルークから飛び降りた俺は、恵梨香さんを見て笑った。


「強くなって戻って来ました。ルークを倒して南軍で仲間を集めて、バベルの塔に向かいましょう。きっと、恵梨香さんの願いも叶いますよ」


俺がそう言うと、恵梨香さんはヘルメットを取って、同じように笑い返してくれた。


「馬鹿者が……昴少年は昴少年。そう自分に言い聞かせていたのに、また真治少年を思い出したではないか」


そう言いながら、俺に手を伸ばした恵梨香さん。


だけど、沙羅が俺の腕を掴んだのを見て、その動きは止まった。


俺は……高山真治じゃない。


でも、確かに俺の中には高山真治が息づいている。


それが俺なんだ。