東京ヴァルハラ異聞録

そして俺達は移動して、両国までやって来た。


「何だ……こりゃあ」


バベルの塔の根元、ポーン達の巣に明らかな異変が起こっていたのだ。


以前見た時も、ポーンの数が増えていたけど……今回はさらに酷い。


ポーンがすし詰め状態と言うか、満員電車さながらの窮屈さを見せていたのだ。


「これじゃあ、街にポーンが溢れちゃうよ。どうしてこうなったの?」


「そんなの……わからないけど。でも放っておいたら絶対にまずい事はわかる」


ここにいるポーン達は、一定ラインより外側には出ない。


中には「はぐれ」と呼ばれる、縄張り意識の弱いやつもいて、そんなやつらが街に出てくるんだけど。


「考えてても仕方ねぇな。東軍に向かいながら、ポーンを殺す。無理に殺す事を目的に考えなくてもいい。飽くまで東軍に入るまでだ」


ここで数を減らせば、それだけ街に流れ込むポーンが減ると言うわけか。


日本刀を取り出して、柄に手を添えた俺は、一撃で数多く仕留める為に今のうちから溜めを始める。


「開幕、結城の攻撃だな。だけどよ、その攻撃は明らかにお前の力を超えてるだろ。乱発すると、お前の身体にガタが来るぜ?」


以前、同じ事を御田さんにも言われた事がある。


だけど、まだまだ俺はやれる。


大丈夫だ。