東京ヴァルハラ異聞録

~三時間後~


俺と沙羅が手を繋いでホテルから出ると、同じタイミングで隣のホテルから秋本が出て来た。


そして、俺達を見ると真顔で舌打ち。


「身体は休めたかよ。その様子じゃ、体力使ったみたいだけどよ」


皮肉か嫌味か、俺達から顔を背けて両国の方へと歩き出す秋本。


「や、休みましたよ!あ、それと……沙羅も一緒に連れて行きます」


「ああ、拓真から連絡があったから知ってる。でもよ、デート気分で行くんじゃねぇぞ。東軍のルークを倒したら、南軍に行く。んでもって、バベルの塔に向かうやつらを集めるんだからよ」


それはわかってるつもりだ。


だけど……南軍で仲間を集めるって、まずはルークだろ。


「南軍のルークを一緒に倒せば、協力者も集まりやすくなりますよね。秋本さんが協力してくれてるみたいに」


共に苦難を乗り越えれば、そこに友情が芽生える。


俺と光輝、マスター、川本なんかがそうだと信じたい。


「……南軍にもうルークはいない。今から二時間前だ。南軍の連中がルークを倒したらしいからな」


「えっ、嘘!倒したの……あのルークを」


沙羅が思わず声を上げたけど、考えてみればなんら不思議ではない事かもしれない。