皆と別れ、俺は秋本と二人で両国方面に歩いていた。
なんだ……行動を共にするなら、集合場所とか決めなくても良かったじゃないか。
てっきり自由行動だと思って、羽を伸ばせるかと思ったのに。
「それにしても、お前に何があった。こんな短期間でそこまで強くなれるとかありえねぇからな?」
「何がって……そうですね、あの人達と同じです」
秋本の問いに答えると同時に、路地で寝転がる人を指差した。
絶望し、戦う事どころか生きる事も諦めた人達。
パッと見ただけでは、生きているか死んでいるかもわからないその姿は、負のオーラを纏っているようにも見える。
「絶望して、闇に落ちた時に、この日本刀の前の持ち主に出会ったんですよ」
日本刀を胸の辺りまで上げてそう言うと、秋本はフンッと鼻で笑って。
「前の持ち主って何だよ。武器にそいつの記憶があるって言うのか?それで強くなれるって言うなら、俺が死なない程度にボッコボコにしてやろうか?」
冗談か本気かわからないから怖い。
でも、それをしたところで、俺がこれ以上強くなるという保証はない。
高山真治だって、また現れるかはわからないのだから。



