東京ヴァルハラ異聞録

動きを止めていたルークが、糸の切れた操り人形のように、グラリと揺れて倒れ始める。


「やった……けど、早く離れないと!」


「……ああ、そうだな」


俺の顔を見て、何か言おうとしたのだろうか。


小さくチッと舌打ちをして、秋本は神凪に合図を送ってルークから飛び降りた。


川を塞ぐように、仰向けに倒れ始めるルーク。


西軍の時のように、どんな倒れ方をするかわからないわけじゃないけど、それでも油断は出来ない。


俺達を放り投げる為に、飛び降りていた拓真達は、すでに水の中。


俺も飛び降りて、着水する寸前。


ザパーンと、ルークが倒れた際に起こった波で、川岸に打ち上げられたのだ。


「……くそっ。格好がつかないな」


雨で濡れてはいたけど、ずぶ濡れになり、髪を掻き上げて、倒れたルークを見た俺は、それでもホッと一安心。


「すげぇな……こんなやつを倒したのか」


信じられないといった様子で、吉良が半笑いでそう漏らした。


「もう……こんな戦いばかりなんだから。人間同士で戦ってた時が懐かしいよ、ホント」


全身ずぶ濡れで、麻衣が溜め息をついた。


そして、俺以外のPBTから秋本の声が聞こえ始めたのだ。