東京ヴァルハラ異聞録

この声は……聞いた事がある!


「はっ!ふざけんなよ!!誰が人のせいにするって!?俺をなめんなよ!!」


曲がりかけた膝をグッと伸ばし、ルークの攻撃を押し返し始める秋本。


強い事はわかっていたけど……ここまでやるか!?


「麻衣!!押し返せ!今なら……やれるっ!!」


あの声で、明らかに秋本が息を吹き返した。


きっと、他の誰が言っても無理だっただろう。


あの人でなければ。


「うおおおおおっ!!化け物が!人間を舐めんじゃねぇぞ!!」


その咆哮と共に、パンッと弾かれるようにルークの手が離れた。


それと同時に、秋本がその声が聞こえた方を向く。


ルークの頭部の上。


そこには、ルーク落下の際に死んだと思われていた神凪が、大鎌を携えて立っていたのだ。


「やるじゃん。でも、褒めるのはこいつを倒してからだね」


「はっ……誰だよ、死んだとか言ったやつは。ぬか喜びさせやがって」


その姿を見て、秋本は嬉しそうに。


それにしても、PBTが破壊されているのに、こんな危険な戦いにやって来るなんて。


「ほら!このチャンスを活かさないでどうするのさ!!いい位置に腕があるんだよ!!」


神凪の言う通り、イージスの盾に弾かれたルークの左腕が、丁度頭部の正面にあった。