東京ヴァルハラ異聞録

作戦なんて何もない。


攻撃を加える秋本を補助するというだけの指示。


「やれやれ。ワシはこのデカブツの注意を引くとするか」


溜め息をついて、延吉が頭部の左側へと移動をする。


ゆっくりと右手を頭部から離したルーク。


その右目からは、血と体液が流れ、瞼を閉じている。


「普通に突いても届きそうにねぇな。それに角度も悪い。ここからじゃあ、こいつの脳には届かねぇ」


「ほぼ正面から突かなきゃダメですね。でも、それだと足場がなくて踏ん張れない」


「足場は作ればいい。結城、お前が俺の足場になれ」


一体何を言い出すのか。


俺が秋本の足場になるのは構わないけど、それでも通常攻撃でやれるなんて思えない。


「ただ俺を踏み付けても意味がないですよ!万が一骨が強固だったら、そこで止まってしまう!気合いや根性でどうにかなるものじゃないですよ!」


「ただの足場にするならお前じゃなくてもいいんだよ。お前の攻撃で俺を弾けって言ってんだよ。ルークを倒したんだろうが!その攻撃力を、俺に上乗せしやがれ!」


秋本を弾く……鞘から日本刀を抜く動作は超超高速。


それなら秋本を高速で射出する事が可能かもしれない。