東京ヴァルハラ異聞録

顔の近くにいた延吉が、仕込杖から刃を引き抜き、ルークの右目に斬り掛かった。


まるで光が走ったかのような一撃。


これは……俺の攻撃に似ている。


いや、仕込杖という武器の性質上、俺よりも洗練された攻撃。


ルークの右目を横一文字に斬り裂いた延吉。


人を操って戦わせる……というのが得意だと思っていただけに、この鋭い攻撃は驚いた。


「グオオオオオオオッ!!」


ルークが悶え、右手が目に当てられる。


「危ない危ない!潰されてたまるかい!」


ぴょんぴょんと飛び跳ね、俺達の方まで逃げて来る。


「……頭蓋骨を破壊か。もしかして、そんな事しなくても行けるんじゃねえか?」


延吉の攻撃を見てか、秋本が何かを思い付いたように呟いた。


「何か策があるんですか?そっちの方が可能性があるなら、言ってください」


「目から脳は近いわけだろ。そこに骨があっても外部よりは硬くないかもしれねぇ。内側からなら破壊出来るんじゃねぇか?」


この眼球の大きさから、どれだけの長さの武器が必要なのか。


そして、本当に内側の骨が硬くないのかも、俺にはわからない。


もしも渾身の一撃が骨に止められてしまえば、脳に届かないかもしれないから。