東京ヴァルハラ異聞録

「マジかよ……矢を踏み付けて飛ぶとか」


ありえない……なんて、この街では当たり前に行われている事だ。


どれだけ人間離れしていても、それを誰かがやってのけるんだ。


だけどこれは、沙羅の身のこなしだから出来る事かもしれない。


「なんて考えてても仕方ないよな!」


俺も真似をしようと飛び上がり、後方から飛んで来る矢を踏み付けて、飛び上がろうとしたけど……踏み付けた矢が失速して落下するだけで、俺の身体は放物線を描いて川に落下して行った。


くそっ!


やっぱりダメか!


と、着水を覚悟した時だった。


ルークに弾き飛ばされた龍拳が、水面を何度か跳ねて、逆らうように水面に立ったが、最後にはドボンと水の中に落ちてしまったのを見て……もしかするとと、体勢を整えた。


そして、水面に足の裏が付くと同時に、素早く前へと駆け出した。


足が沈む……けど、その前にさらに足を前に出してを繰り返せば、水面を走れる!!


「お、おいおい!あいつマジかよ!水の上を走ってるぞ!!」


「なんなんだよあいつは!!」


川岸から声が上がるけど、簡単にやってるわけじゃない。


この強さになって、ようやくギリギリ水面を走れる……と言ったところなのだから。