東京ヴァルハラ異聞録

ルークの休眠が解けるまで、約15分。


橋と川岸には多くの人達が集まり、ルークの目覚めを待っていた。


ちなみに、休眠状態のルークを攻撃した事もあるらしいが、岩のように硬く、ダメージを与える事は出来なかったそうだ。


橋の上には、主に遠距離武器を手にした人達が集まっていた。


「……あ。雨が降って来た」


手を空に向け、ポツポツと降り始めた雨を見る沙羅。


「こんなタイミングで雨とか最悪だな。ルークの身体が滑らなきゃいいんだけど」


雨か。


この街で雨が降ったのは、三宅と戦った時くらいだ。


俺が死んでいる間にも降ったのかもしれないけど、どうしてもあの時を思い出してしまう。


戦うまでには小降りになってくれよと祈ったけれど……その想いは天に届かなかったようで。


どんどん雨足は強くなり、気付けば俺達はずぶ濡れになっていた。


そして……ついにその時間はやって来た。





「動くぞ!!戦闘準備!!」





誰かが言ったその言葉で、場の空気がガラリと変わった。


川の真ん中にあった陸地が、ゆっくりと盛り上がって行く。


そして、川の水を滝のように垂れ流して、ルークが起き上がったのだ。