東京ヴァルハラ異聞録

「そうだな。それに、俺達がルークの上に乗って戦うのは良いけど、もしも振り落とされて川に落ちたらどうする?さすがに水の中では素早く動けない。ルークの攻撃を食らえばひとたまりもないぞ」


将太の言う事は良くわかる。


一度隅田川に飛び込んだ事があったけど、地上とは違って当然水の重さも感じるから動きにくかった。


それはきっと、ルークにしても同じだろうけど、大きさが違うからそこまであてには出来ない。


「だったら話は簡単だろ。川に落ちない!落ちる前にルークをぶっ殺す!それで終わりじゃね?」


皆が悩んでいる中で、そう言ったのは拓真だった。


あまりにも短絡的で、考えのない発言。


だけど……その通りだと思える。


「お前は考えなしに言ってんじゃねえよ!んな事皆わかってんだよ!」


やらなければならない事を拓真に言われてイラついたのか、吉良が拳を拓真の頭に落とした。


「あいたっ!だってさ……皆葬式みたいな顔で、死にに行くみたいだったから。化け物をぶっ殺しに行くんでしょ?だったらもっと明るく行きましょうよ。俺達は狩る側、ルークは狩られる側なんだから」


拓真の言葉で気付かされたのか、将太や吉良の表情が少し明るくなった。