東京ヴァルハラ異聞録

そこにいたのは……杖をコツコツと突きながら、こちらに向かってくる男……延吉。


「な、なんじゃいっ!お前もおったのか!それがわかっていれば、来なかったものを……あーやだやだ」


俺を見るなり顔を背けて悪態をつく。


以前、戦った時の事を根に持ってるんだろうなあ。


「まあまあ。経緯はどうあれ、ルークを倒す為に集まったんだからさ。昔の事は忘れて協力しようよ」


あからさまに嫌な顔をする延吉に、龍拳が宥めるように声をかけた。


俺は北軍の人間にとっては敵だから、嫌がられるのは仕方ない……と思うけど、こんなに態度に出されると居心地が良いもんじゃないな。


「ふん。まあいいわ。あの化け物はワシも邪魔だと思っていたところだからな。これ以上街を壊されてたまるかい」


そう思っているのは延吉だけじゃないようで。


時間の経過と共に、あちこちから多くの人が集まって来たのだ。


誰もがルークに破壊されるのを止めたいと思っているのだろう。


その中には、ろくに戦えないであろう、レアリティの低い人達もいた。


「邪魔になるだけだ」と、秋本が追い返すかと思ったけど……その人達を迎え入れたのだ。