東京ヴァルハラ異聞録

御徒町まで歩いた時、PBTからアラームがなった。


こんな時でもお構いなしに総力戦が始まると言うのか。


案の定、北軍の光の壁付近にはそれほど人はいない。


侵攻を捨て、防衛に回っているんだろうな。


それでも、0というわけではなく、チラホラと姿が見える。


開戦時間まで時間を潰した俺は、再びアラームがなったのを確認して光の壁を越えた。


先日までなら、入るなり矢の雨が降り注いだのに……今はゴーストタウンのように閑散としている。


変にバトルに発展しない分、今はこっちの方がいいかもしれないな。


なんて考えて歩いていた時だった。


「あ!もしかして昴くんと違う!?」


そんな声が聞こえて、俺は声のする方を向いた。


と、同時に迫る銀の刃。


「!?」


突然なんだと思ったけど、素早くその攻撃を避けて、日本刀に手を掛けた。


「もう、忘れたん?舞やで、舞」


いや、その喋り方と胸を忘れるはずがないけど、いきなり攻撃しておいて忘れた?はないだろ。


「覚えてるけど……何?やるの?」


「もう!そんな怖い顔しーひんといて!久しぶりに会ったから、挨拶しただけやん」


これがこの人の挨拶ってわけか。


……いや、今ので死んでたらどうするつもりだったんだよ。