東京ヴァルハラ異聞録

二人と向かい合う悟さんの隣に並び、深呼吸を一つ。


「お、おい、昴。お前、決闘した事あるのか?」


「そんなのないですよ。この人達と戦わなきゃならないって事はわかりますけど……いざとなったら助けてください、悟さん」


相手は俺より強い。


そう告げられて、人を殺す事に抵抗を覚えていた俺も、殺される側になるのかな……なんて考えた。


怖いけど、ここで真由さんの情報がなくなってしまうかもしれないと考える方が怖くて、やるなんて言ったけど。


「バカ!決闘は一対一のバトルだよ!外部からの干渉は声以外一切受けなくなる。完全に二人だけの戦いなんだよ!」


「えっ!?は、早く言ってくださいよ!や、やっぱり辞退しようかな」


「それはやめた方がいい。前にタケさんに指名されて逃げ出したやつは……PBTを破壊されて死んだ。後には退けない」


それって、完全な死じゃないか。


チラリと振り返って篠田を見ると……。


にこやかな笑顔で、俺に手を振っている。


……ヤバい。


何もわからずにやると言ってしまったけど、本当に退けない。


「じゃあ俺、あっちの若いのとやりますわ。森島さんは黒部。文句は言わせませんからね」


「チッ。わかったよ、しゃーねぇな」


どちらがどちらと戦うか、決まったようだ。