東京ヴァルハラ異聞録

「あの悪魔か。各軍にまるで遊んでいるかのように降り立ったよ。西軍にもやって来た。何人、あの悪魔に挑んだか。吉瀬、愛美、籾井……他にも悪魔と戦った者は皆死んだ。助かった者もいたが、運が悪かったのはPBTを破壊されたのに死ねなかったやつらじゃな」


そうか……皆、黒井に殺されたのか。


「……悟さんは無事ですか?」


御田さんの言葉に、悟さんの名前はなかった。


だとしたら生きているはず。


「無事……かどうかはわからんがな。生きてはおるよ」


つまり、無事ではないという事か。


「俺もビショップに殺されました。裏拳一発で身体が吹っ飛んだんです」


拳を握り、その時を再現するように振ってみせた。


「殺されるなら……まだ良かったかもしれんな。あの光景は地獄だったよ」


「ええ、あれは忘れたくても忘れられません。本当にこの世の終わりなんだなと思いました」


御田さんと千桜さんにここまで言わせるなんて……一体何をしたって言うんだ。


一撃で殺された俺は、運が良かっただなんて。


「一体……何があったんですか」


「……場所を変えよう。なにも、勝利で湧いている場所で話す事じゃない」


歓声の中、御田さんはルークから飛び降りた。