東京ヴァルハラ異聞録

「私も……もっと強くなれるかな」


「強くならなきゃ、元の世界に戻る事なんて出来ないからね。強くなろう。お互いにさ」


そう言った俺に、フフッと笑う月影。


何か、おかしな事を言ったかなと思ったけど、どうやら違うみたいだ。


「そうね。死んで行った人達の為に、私達がやらなければならない事があるものね。前に進まなきゃ」


なんだ、話せばわかる人じゃないか。


月影と橋本さん、いがみ合っていたから、もっと頑固な人かと思っていたけど、そうではないみたいだな。


「じゃが、倒したルークは西軍のものだけ。あの日落とされたルークはまだ三体おるぞ。これからどうするつもりだ?昴」


そう言われるとどうしたものか。


御田さんが西軍から離れれば、西軍の守りが弱くなるのは目に見えている。


この状況で総力戦が始まっても、他軍はそれどころじゃないだろうけど。


同じようにルークを倒すなら、この五人で他軍に行くしかない。


だけどそれは、ビショップの襲撃があった場合、なす術なく西軍が壊滅するという事にも繋がりそうで。


「ビショップは……あの日、ルークを落とした後、どこへ行ったんですか?」