東京ヴァルハラ異聞録

「ル、ルークは!?」


声を上げた月影に、御田さんが足元を指差して見せる。


「安心せい。ワシらの下敷きになっとるよ。昴がやってくれた。お前さんの努力は無駄にはせんかったわけだ」


そう言い、豪快に笑って見せた。


いや、これは俺だけの力ではとてもじゃないけど倒せなかった。


ルークの頭上まで運んでくれた美姫。


その為に、ルークの右目を潰してくれた月影。


その月影を、すんでのところで助け出してくれた千桜さん。


俺の攻撃を後押ししてくれた御田さん。


それに、キングが破壊されないように、足止めをしてくれた皆の力があってこその勝利だった。


だけど、それはわかっていると言わんばかりに御田さんは俺の背中を叩いて。


「そう……さすがね、結城昴。御田さんに新時代の風と言わせただけの事はあるわね。こんな化け物を倒してしまうなんて」


「いや、俺一人ではやれなかったよ。月影が言葉通り、隙を作ってくれたから倒せたんだ」


その言葉に嘘はなかった。


「だけど私には、このルークを倒すほどの力はない。初めて会った時は、私よりも弱かったのに」


「人は、いくらでも強くなれると思うよ。俺は色んな人に支えられて強くなった。俺だけの力じゃないんだよ」