東京ヴァルハラ異聞録

「お前達は……何の為に戦っている?元の世界には戻れないからと諦めてはいないか?18の歳の少年が、元の世界に戻るために強くなった。この、誰もが倒せないと諦めかけた化け物を倒せるほどに!諦めるにはまだ早いわ!!もう一度奮い立て!ワシらはまだ戦える!!」


そう叫んだ御田さんに答えるかのように、再び歓声が上がった。


不思議と、御田さんの言葉には人を動かす力があるように思える。


「結城昴、この勝利はお前さんがいたからじゃ。胸を張れ」


バンッと背中を叩かれ、歓声の中に身を置くという慣れない状況に戸惑っていると、看板に乗った美姫がゆっくりと降りて来た。


「いやあ……助かりましたよ。それにしても、話には聞いていましたが、美姫さんにこんな力があるとは」


そうか、千桜さんは美姫が戦えないと思い込んでたから、サイキッカーだと知らなかったのか。


「う、う……ん」


気絶していた月影が目を覚ましたようで、看板の上で身体を起こしす。


月影の中では、ルークの目にジュワユースを突き刺した所で記憶が途切れているのだろう。


状況を理解出来ない様子で、キョロキョロと辺りを見回すだけだった。