東京ヴァルハラ異聞録

「昴くん!これ以上は上がれない!ルークの腕を振り切れない!一旦離れるよ!」


美姫が、俺達が看板から落ちないように必死に操ってくれているけど、ルークの攻撃を回避し続けるのは困難なようだ。


ここで離れて上昇……というのが一番安全な策かもしれないけど、ルークにガードする時間を与えてしまう可能性がある。


出来れば、攻撃の威力を高める為に、ルークの頭上から垂直落下しながら……と考えていたけど、美姫が無理ならそれしかないか。


「わかった!一旦離れて……」


「私が隙を作ります!美姫ちゃん、そのまま行って!!」


俺がそう言おうとした時、月影がそれを遮ってルークの肩に飛び降りたのだ。


「乃亜ちゃん!?」


「私の武器では、この巨体を相手には出来ない!でも!隙くらい作って見せるから!!」


ルークの肩に着地し、一直線に頭部へと走る。


「嬢ちゃん!こいつの右側に回り込め!!月影なら、絶対にやってくれる!」


御田さんの言葉に美姫は頷いて、看板をルークの右側に回り込ませる。


「私は……月影乃亜!!お前に殺された部下の恨みを晴らす!!」


そう叫んでルークの頭部に飛び掛かった月影。


巨大な右目が月影を捉え、瞼が下りる。


だが、それよりも速く、月影のジュワユースがルークの目に突き刺さった。