東京ヴァルハラ異聞録

「いよっしゃあああっ!篠田じゃない!生存確率が上がった!!」


光輝と呼ばれた男が拳を握り締めて声を上げる。


「お、俺!?ま、まあ……タケさんがやれと言うならやりますけど。あと一人どうするんですか?やっぱりタケさんがやるんですよね?」


オドオドしながら、悟がそう篠田に尋ねると、篠田は輪を作っている西軍の人間を見回して……俺と目が合い、ニヤリと笑って手招きしたのだ。


「ちょ……何考えてるのよ!昴くんに決闘なんて出来るわけがないでしょ!?」


慌てて梨奈さんが止めに入るけど、篠田はそんな事は関係ないと言わんばかりに。


「お前に言ってねぇんだよ。良いから来い。それともお前は女に守られてるだけのお子ちゃまなのかよ」


明らかな挑発だったけれど……さすがにそこまで言われて、出ないわけにも行かない。


決闘が何なのかはわからないけど、言われたままというのは癪だから。


悟さんと同じように人をかき分けて、輪の中に入った俺は、篠田の前に進んでその顔を見上げた。


「お前が勝てば、真由の居場所を教えるのを考えてやるよ。相手はお前より強いけどな。どうする?」


篠田に出された提案を、断る理由がない。


俺が探し求めて、梨奈さんも沙羅も探している女性の事がわかるならと、俺は押し出すように声を出した。


「やります!」