東京ヴァルハラ異聞録

「当たらないよっ!なめないで!」


美姫が腕を横に振ると、看板が横を向いて巨大な拳を回避。


「うっひょー!!ジェットコースターみたいじゃのう!!」


「安全性は保証されてないですけどね!!」


もう既に溜めは完了している。


ここから、さらに限界を超えた溜めをしろって……どうすればいい。


そう思いながら、日本刀の柄に手を添えて意識を集中してみる。


すると、微かではあるが、俺の手から柄に何かが流れるような感覚があった。


もしかして……これが限界を超えた溜めって事か?


看板はさらに上昇し、ルークの肩までやって来た。


「わ、わたるくん!英太さんに美姫さんに、月影さんまで!!」


この声は……千桜さん!?


ルークの肩を足場に、必死に棒手裏剣を頭部に向かって投げているようだが、ダメージはなさそうだ。


「千桜さん!!どうしてこんな所に!」


「僕だってやる時はやるんですよ!!食い止めなきゃ、西軍が破壊されてしまいますからね!!」


「俺達がやります!千桜さんは安全な場所に!」


「安全な場所なんて、どこにあるんですか!!」


そうだよな。


皆、安全な場所を作りたくて戦っているに違いないんだ。


だから、絶対に倒さなればならない。