東京ヴァルハラ異聞録



「足に気を付けろよ!絶対に足の下に入るな!」


「そんな事言ったって!!あ、あああああっ!!」




ルークに近付くにつれ、被害が大きくなっていくのがわかる。


足元では、橋本さんが指揮を執っているが、その中に月影派もいるから指揮系統に乱れが生じているようだ。


「美姫!頼んだ!」


「任せて!」


俺がそう言うと、美姫はビルの看板を剥がして俺達の前に置いた。


「昴、あの技はいずれしわ寄せが来る……と、言ったが、こいつを倒すにはあれしかない。今のうちに限界まで溜めておけ」


看板に乗ると、御田さんがそう言って俺の肩を叩く。


「……はい。でも、この技でもダメかもしれません」


「だから溜めろと言ってる。限界を超えた溜めで、限界を超えた攻撃を放ってみい」


「……わかりました」


そうは言ったものの、限界を超えた溜めとは一体なんだろう。


今までやった事がないのに、それをやれと言うのか。


「じゃあ、皆行くよ!!」


美姫が足元の看板に指輪を向けると、ふわりと浮き上がる。


そして、一気に飛び上がったのだ。


だが、それを迎え撃つように、ルークの拳が迫った。