東京ヴァルハラ異聞録

「やれやれ。素直じゃないのう。相変わらず」


そう言い、月影の前に出たのは御田。


バトルアックスを取り出して、大きく振りかぶった。


「ワシとて何もせずに過ごしていたわけではないぞ!この程度でワシを殺せると思うな!」


そして、落下するビルに向かってそれを振り下ろしたのだ。


とてつもない斬撃と衝撃波がビルに襲い掛かる!


空中で亀裂が走り、真っ二つに割れたビルが、少し押し戻されて神田川の向こう側に落下した。


線路がひしゃげ、建物が崩れ落ちる。


「舐めるなよ。化け物が」


バトルアックスを肩に担ぎ、遠方にいるルークに向かって中指を立てる御田。


「す、凄い……私だけじゃ、やられてた」


「月影、俺が目障りなのはわかる。だがな、今はそんな事を言っている場合じゃないんだ。今のがもしも、あの建物に直撃していたら、俺達は大幅に弱体していまう。この状況でそれは、死を意味すると思わないか?」


「……」


キングがあるカラオケ店を指差した橋本に、月影は何も言えずに。


「西軍で一番になりたい気持ちはわからんでもないがな。なれるとすれば、お前さんや橋本ではない。無論、久慈でもワシでもないがな」