東京ヴァルハラ異聞録

~両国~


西軍に戻る為には、まずここを通らなければならない。


ポーンとナイトの巣である、バベルの塔が建つ場所、両国。


「……以前より、ポーンもナイトも増えてないか?まあ、どの道ここを抜けなきゃならないんだ。関係ない」


以前は、まばらにいた化け物達が、今は結構密集している。


どれかひとつの個体に気付かれれば、ここにいる全ての個体に気付かれるだろう。


それでも、関係ない!


鞘に納めた日本刀、その柄を握り、俺は化け物の群れに向かって駆け出す。


あるラインを越えた瞬間、一斉にポーン達がこちらを向いた。


なんか……気持ち悪い!


迫り来るポーンの群れに、日本刀を引き抜く!


横一閃。


鞘から光が放たれ、刃が振り抜かれた。


眼前に迫った無数のポーンは、俺の攻撃によって上下に分断されて崩れ落ちる。


今がチャンスだ!


一気に駆け抜けて西軍を目指す。


襲い掛かってくるのがポーンなら、大した問題はない!


足を止めることなく斬り捨てて、もうすぐ西軍に入る……という時だった。


やはり現れた、ナイトだ。


槍と盾を構えて、俺の前に立ちはだかった。