東京ヴァルハラ異聞録

上昇するにつれ、その気配が濃さを増して行く。


「何……この感覚」


「たまんないね。押し潰されそうだよ……あそこに、何がいるって言うんだい」


沙羅と雨村も感じている。


恐怖と不安……そんな言葉で片付けられないような異様な気配を。


「こりゃあ……ヤバいかもしれないね」


近付けば近付くほど、その気配は濃くなって行く。


そして、とうとうやって来た第2展望台。


その上に降り、目の前にある大きな卵を見上げた。


「……こんなに大きいという報告はなかったが。成長したのか?」


「ああ、直径1メートルくらいって言ってたね。それがどうよ?直径だけなら3メートルはあるじゃない」


名鳥も雨村も、何もしていないのに汗をかいている。


俺もそうだ。


かきたくもない汗が、額から流れて顎から落ちる。


「沙羅、美姫、大丈夫か?」


何があるというわけでもないのに、そう尋ねてしまうほどに危険な雰囲気が漂う。


「う、うん」


「大丈夫だけど……何これ」


それを調べに来たのだから、俺はその答えを持っていない。


日本刀を握り締め、いつ、何が起こっても対処出来るように構えた時、それは起きた。