東京ヴァルハラ異聞録

美姫の力に、名鳥も雨村も驚いたようで、ただただ唖然としているだけ。


「これに乗ってください。美姫が一気に運んでくれますから。450メートル……行けるか?」


「昴くんが眠っている間、美姫も強くなったんだからね。なめないでよね」


よく見ると、美姫の指にハメられているリングの形状が以前とは変わっている。


星5レアになったのか。


そうか。


強くなっているのは俺だけじゃなかったんだな。


「よし、頼んだぞ、美姫」


看板の上に乗り、美姫が足元に向かって手を伸ばす。


「エレベーターほど乗り心地は良くないけど、一気に行くからね!」


そう言った直後、ふわりと看板が浮き上がった。


そして、弾かれるように上空へと舞い上がったのだ。


「こいつは……凄いとしか言えない!もしかして美姫ちゃんは、この力で人を殺したり出来るのか!?」


初めて経験する力に、興奮気味の名鳥。


「出来るわけないじゃない!弱い敵くらいなら何とか出来るけど……って、説明が難しい!」


俺だって、美姫の力の全てを知っているわけではない。


美姫が説明出来なければ、誰にも出来ないのだ。


そして、第1展望台を過ぎた時、俺達は言いようのない気配を感じた。