東京ヴァルハラ異聞録

「……こうして見ると、やっぱり高いですね。どっちの展望台にあるんですか?上と下にありますけど」


「第2展望台。展望回廊と呼ばれてる方の上だね。450メートル以上の場所なんて、この街では登った事がないだろう?」


……その高さから落ちれば死ぬという意味が良くわかるよ。


普通の人間なら言うまでもなく、今の俺達でもダメって事だ。


「だけど、バベルの塔の高さはこれの比じゃない。スカイツリー何本分の高さかわからないぞ」


「そんな事より、今は卵っしょ?さっさと登って、調べた方がいいさね」


雪子がそう言って、巨大な日本刀を取り出すが……まだ武器は破壊されたまま。


「雪子ちゃんは無理しない方が良いね。さて、どうする?この高さだ、登るだけでも結構な手間になるけど」


と、名鳥が俺を見た時だった。


美姫が、建物の壁にある看板に手をかざし、それを剥がすと俺達の前に置いたのだ。


「はいはい、これでいいんでしょ?スカイツリーの展望台って聞いた時から、美姫の役目はこれなんだろうなって思ってたよ」


説明の手間が省けて助かるよ。


「いやはや……こりゃあ驚いたね。美姫ちゃんはサイキッカーか?この街でも極上のレア物だな」