東京ヴァルハラ異聞録

ただ、意地悪で俺達には真由さんに会わせないと言っているわけじゃなさそうだ。


それに、自分の喧嘩よりも、西軍の人達を助ける為に現場に向かった。


そう信じたい。


篠田と悟さんを追って、やって来た警察署前。


武器を持った人達が、南軍の人間らしきやつらを取り囲み、この輪の中に篠田がいた。


相手は三人。


「お前ら、人が集まる時間を狙って大暴れか?総力戦が終わって、油断したやつらを殺すなんてよ、随分ショボい事やってんじゃねぇか」


「篠田……ツイてないな。よりによってこいつが出てくるとは」


大鎌を持った大柄な男が、ハハッと薄ら笑いを浮かべて篠田を見る。


「でも、囲んでるやつらは大した事ないぜ。篠田に殺られる前に、こいつらを殺してソウルを稼ぐって手もあるよな」


両手剣を肩に担ぎ、囲った人達を見回すこれまた大柄な男。


これだけの人を相手に、勝てる自身でもあるのか。


「俺は早く帰ろうって言ったじゃないですか!秋田さんと森島さんに任せるといつもこれだから!」


その中で、一人だけ怒っている、細身の剣を持つ男。


この三人が暴れていたのだろう。


フウッと、篠田が吐息を漏らすと、その隙を突いて大鎌の男が篠田に飛びかかった。