東京ヴァルハラ異聞録

「あ!いたいた!昴くん!沙羅ちゃん!!」


頭上からそんな声が聞こえて見上げると、美姫が俺達を見付けてビルから飛び降りたのだ。


「もう、探したよ……って、げっ!な、なんで東軍の人間と一緒に!?」


あからさまに嫌そうな顔をした美姫に、雨村が近寄った。


「ふーん、私には敵わないにしても、こっちはなかなか……」


そして、美姫の胸を鷲掴みにしたのだ。


「あふん……」


「いやいや……もうやめてよ雪子ちゃん。話が進まないからさ。こっちの子は結城ちゃん達の仲間かい?」


突然胸を鷲掴みにする雨村も雨村だけど、それを受け入れている美姫も美姫か。


「そ、そうです。えっと、その卵はスカイツリーの展望台の上にあるんですよね?だったら、そこまで一気に上がった方が良いって事だから……美姫の力が役に立つかもしれません」


エレベーターに乗って展望台まで行ってから、外に出るという手もあるけれど、外から卵に迫れるならそれにこした事はない。


「……どうもあまり強そうには見えないんだけど、昴が言うならそうなんだろうねぇ。じゃあ、調査を手伝ってくれるって事で良いかな?」


名鳥の問いに、俺は頷いた。