東京ヴァルハラ異聞録

「そうだ、結城昴。ちょっと時間はあるかな?」


沙羅をどこかで休ませようと思っていたら、名鳥に尋ねられた。


「なんですか?沙羅を休ませてあげたいんですけど」


「ああ、その後でもいいんだけどさ。お前に言うのはどうかと思うんだが、ちょっと頼みがあってね。黒崎ちゃんを休ませたらまたここに……」


と、名鳥がそこまで言った時、沙羅が小さく唸って、ゆっくりと目を開けたのだ。


「う……ん。え?す、昴くん!?なんで、どうして?え?え?」


俺に抱きかかえられている状況に困惑しているのか、慌てた様子で。


「はっ!大人しい方に戻っちまってさ!まあ、今『北軍の死神』になられても困るけどさ」


「まあまあ、雪子ちゃん」


不機嫌そうな雨村を宥める名鳥。


「大丈夫か?沙羅」


「え?え?あ……うん。あれ?沙羅、ボロボロだね。大丈夫、立てるから下ろして」


そう言い、その場に立つと、PBTを取り出して瞬間回復をした。


休ませようと思ったけど、回復したなら大丈夫かな。


「名鳥さん、頼みって何ですか?西軍の俺に頼むなんて、よほどの事ですよね?もしかして、俺と戦ったのもそれの為だったりしますか?」