東京ヴァルハラ異聞録

……いつでも撃つ事が出来た!?


だったら、名鳥はわざと負けたって事か!?


「おっと、そんな顔しないでよ。撃てるようになったのは、目に血が入った直後。闇雲に撃っても当たっただろうけど、お前の斬撃の速度なら、良くて相打ちだったからさ。死ぬならロートルの方が良いだろ」


「……わかりません。相打ちで良いじゃないですか!俺を殺さなければ、東軍は壊滅してしまうかもしれないんですよ!?」


「ん?そんな事考えてたの?お前はそんな事しないっしょ。黒井みたいに戦闘狂って目はしてないし、あいつと同じ目をしてるからね。恵梨香ちゃんが目を掛けるはずだよ」


この人は……全てを見透かした上で、俺と戦っていた。


強さが全ての街だと言うけれど、この人の強さは、何か別の物を感じる。


「さてさて、こちらは俺が負けたとして、あっちはどうかな?」


そう言い、雨村と沙羅の方を見た名鳥。


「あの……ひとつ聞いてもいいですか?高山真治は、どんな人だったんですか?」


こんなにも強い人が認める、この日本刀の前の持ち主。


向き合う事から逃げて、否定していたけれど、この人になら聞いてみたくなったから。