東京ヴァルハラ異聞録

「うおおおおおっ!!」


「くっ……いい加減にしないと、俺も怒るぞ!!」


急に、名鳥の目が鋭くなる。


と、同時に、俺の胸ぐらを掴んで腹部に膝蹴りを入れたのだ。


「反撃が来るとは思わなかったか!?言っておくけどさ、体術なら俺もそこそこ自信があるんだよね」


明らかに俺よりも長い手足の名鳥。


殴り合えば、リーチで名鳥に負けてしまう!


すかさず名鳥を蹴って距離を取ろうとしたけど……その足を掴まれて離れる事も叶わない!


「逃がさないよ?そして、これはどう防ぐかな?」


槍を口にくわえた名鳥が、俺の首に手を回し、身体を反転させると、俺を海老反りにさせて背中に膝を当てたのだ。


腹部を地面に向けられ、首と足を掴まれたまま落下する!


これは……耐え切れるのか!?


無理な方向に身体を曲げられているて、これから脱出する方法が……もうない!!


迫る地面、不意の技に対処する事が出来ずに、俺はそのまま名鳥を背に乗せたまま地面に激突した。


メリメリと、骨が軋む音が聞こえる。


この街でなければ、俺だけでなく名鳥も死んでいただろう。


それほどの高さから落下したのだから。