東京ヴァルハラ異聞録

「うおっ!?」


振り下ろした日本刀の鞘が、名鳥の左手に直撃し、ナイフが下に向く。


何とか首を斬られる事だけは避けられた。


だが、まだだ!


振り下ろした勢いのままに、身体を回転させて、両足で名鳥の腹部を蹴り飛ばした。


「やるねぇ……ここまでやるとは思わなかったよ」


何とか着地し、攻撃に移れるように構える。


僅かな攻防だけど、それだけでもハッキリとわかる名鳥の強さ。


「こりゃあ、意識を改めなきゃならないかな。西軍は篠田と御田のツートップだと思っていたけど、キミの強さはそれに勝るとも劣らないね」


「まだまだ、俺は篠田や御田さんには敵いませんよ。あの人達は俺なんかよりずっと強いですから」


「やれやれ。とんだ謙遜だねこりゃ。確かにあの二人は強い。だが、星5レアの武器レベルなんてものは、一定を超えるとさほど勝敗に影響しない。わかるだろ、結城昴。お前はもう、こちら側の人間なんだよ」


名鳥が言いたい事は何となくわかる。


武器レベルの強さは確かに、身体能力や武器の性能を引き上げてくれる。


でも、勝敗に一番大きく左右するものは……。


「心の強さ……ですよね」


「ご名答。てなわけで、どちらの心が強いかハッキリさせようか」