東京ヴァルハラ異聞録

「ここで良いですよ。名鳥さんくらいなら、どこで戦ったって同じでしょ」


PBTを操作し、左手の傷を治した俺は、鞘に納めた日本刀を取り出した。


「Coolだね。両国でナイトを前にションベンチビってた少年が、どれだけ成長したか見せてみなよ」


隣のビルで、ショットガンを肩に担ぎ、俺を挑発するようにタバコをくわえる。


そして、それに火を点けた瞬間。


床を強く蹴り、俺は名鳥に飛び掛かった。


気をつけなければならないのはあのショットガン。


反則みたいな武器だけど、空中で撃たれれば回避が難しい。


出来るだけ高く飛ばないように、床スレスレを移動する!


「おっ、速いね」


そう言い、銃口を俺に向ける。


撃たせてたまるか!


日本刀の柄尻で、ショットガンを下から弾く!


だが、名鳥の指は引き金に掛かっていない!


弾かれたショットガンを、力任せに振り下ろした名鳥。


それは、接近する俺の左肩に当たり、バランスを崩させたのだ。


それだけではない。


左手でナイフを取り出して、倒れ込む俺の喉元に突き付けた。


まずい!!


喉を斬られる!!


そう判断した俺は、素早く日本刀を振り下ろした。