東京ヴァルハラ異聞録

「……坊や、世の中には笑える冗談と笑えない冗談ってもんがあるんだよ?今のはちょっと笑えないね」


缶ビールを飲み干し、そこから飛び降りて俺に歩み寄った雨村。


ドンッと胸を俺に押し付け、顔を近付ける。


「冗談かどうかは、やってみればわかりますけどね。あの時の俺とは違いますから」


「面白いじゃないのさ。じゃあ、あんたはお姉さんを満足させてくれるっての?生半可な攻めじゃ、お姉さんをイカせる事なんて出来ないよ?」


……なんだか話が噛み合っているようで噛み合っていない気がする。


胸を押し付けられているせいか、どうもエロく聞こえてしまうのはなぜだ。


しかも、離れようとせずに、グリグリと胸を押し付け続けている。






「あれ?なぁんだ。雪子ちゃんいたの?だったら俺の出番なんてなさそうだな。ここで見物でもさせてもらおうかな」





そんな俺達の右側から、聞き覚えのある声が聞こえた。


この声は……まさか!


記憶の中の声を辿り、至った答え。


その姿を見ると同時に、声が出た。





「名鳥……順一!」





「いや……おっぱい押し付けられてる状態で凄まれてもね。楽しむのか睨むのか、どっちかにしてよ」