東京ヴァルハラ異聞録

「俺は何も変わらないよ。変わったなら……きっとそれは、意識が変わったんだと思う。何が何でも強くならなきゃって、無理していたんだと思うな」


その想いが、この猛者揃いの東軍に乗り込もうという、無茶に繋がったんだ。


自分の力量もわからずに。


「そう……じゃあ良かった。昴くんは昴くんだね」


「何を今更……」


と、駆け寄る沙羅に照れて笑って見せた時だった。





「うんうん、青春青春。いいねあんた達!若いってだけで幸せなのに、その上こんな街で恋愛ごっこなんて!かーっ!うらやましっ!」





俺達の頭上で、缶ビール片手にそう言ったのは……。


「雨村雪子!?」


長い髪に大きな胸。


忘れたくても忘れられない、男勝りで豪快な女。


「大友が戦ってるって通知があったから来てみれば……あんた達とはね。で?大友と、戦ってるやつってのはどこにいんの?ここで信号が途切れたんだけどさ」


自分が殺した相手が、大友が戦っていた相手だとは思っていないのか、赤い顔で辺りを見回す。


「大友は俺が倒したよ。そんな所で見てないで、降りてきなよ。ここに来たって事は……戦いに来たんだろ?」