東京ヴァルハラ異聞録

よくある手だけど、大友ギリギリまで近付いてから上に逃げるというのはどうだ?


いや……これほどの攻撃を繰り出すほどの男だ、その程度の対処は難なくするだろうな。


だったら……これしか思い浮かばない!


回転しながら日本刀を振るった俺は、四本の矢を鞘で同じ方向に弾き飛ばした。


空中で動きを止め、方向転換の後、再び俺に向かって来る四本の矢。


それを俺は、立ち止まって待ち構えた。


「回避出来ないと判断したか!!所詮お前はその程度だ!!」


大友が叫んだと同時に、矢が俺に突き刺さる。


俺が……前にかざした左の掌に。


「くぅぅぅぅっ!!いってぇぇぇぇぇっ!!」


いくらこの街にいて、痛みに鈍くなっているとは言え、このレベルの攻撃を受けるとかなり痛い!


「な、なに!?」


「なに!?じゃないでしょ。あんたが、この矢は俺に刺さるまで動きを止めないって言ったんだろ?だから、俺に刺されば動きは止まる」


単純なトリックだった。


多くの人は、この矢が刺さり、弱ったところでトドメを刺されていたんだろうけど。


左手だけなら、死ぬはずもないし弱りもしない。


まともに鞘を握れない俺は、日本刀を担ぐようにして大友を見た。